スパコン「京」 数ヶ月で首位脱落

kyou

以前のブログ記事(30年以上前の書籍から思うこと)で「スーパーコンピュータ(スパコン)「京」を使ってみたい」と書きましたが、そのスパコン「京」が「世界スパコンランキング」2位に転落したニュースが入ってきました。

スパコン「京」は神戸に立地されていて、富士通が開発主体となって進めてきたもので、開発途中ではNECや日立もプロジェクトに加わっていたそうだ。途中、NECや日立はプロジェクトから撤退したようで、富士通だけ残ったようです。

開発費用は1,120億円で、年間の運用維持費は80億円だそうである。(wikipediaより) 開発費用の内訳は、1,020億円が国費の公共事業予算からで、100億円は民間出資だそうです。

スパコン「京」のハードウェア構成

コンピュータのハードウェア構成として、CPUは「SPARC 64 VIIIfx」、メモリーは「DDR3 SDRAM 64GB/s」で、OSはLinuxとなっている。

SPARC(スパーク)というマイクロプロセッサ(MPU)は、サン・マイクロシステムズ(現在オラクル傘下)が開発してきたもので、1990年代から2000年初めまで、サーバまたはワークステーションで幅広く使われていたプロセッサーで、インターネット・ブーム当初のサーバ機器では多く導入されてきたのです。私もSPARCプロセッサを用いたシステムを、数多く関わってきましたが、結局Intel Xeonプロセッサーが台頭し、性能やコスト的にIntel Xeonプロセッサーに傾いてきた経緯があります。

そのSPARCを「HAL Computer」富士通やがライセンス供給+独自開発してきたのが、SPARC64プロセッサーです。開発は「HAL Computer」、製造が富士通のようだが、富士通が製造して能力やコスト面でIntelに太刀打ちできるとは思えないのは、私だけではないはずだ。

結局 スパコン「京」 は、 富士通やNEC、日立などのメーカーをサポートする公共事業のもとスタートしたと思ってもいいが、私たち税金の無駄遣いにならないことを祈るばかりだ。

で、結局 スパコン「京」は使えるの?

さてこのスパコン「京」だが、昨年11月(2011年11月)に、計算能力の評価で世界一になった。「どんだけ高速に処理できるのか」私は興味があり、このスパコン「京」をタイム・シェアリング(時間貸し)で使えないものかと思っていた。何を計算・処理させたいのかというと、本当にくだらないチープな事なので、ここでは書かない。

ただ現在のパーソナル・コンピュータ(PC)の進化やグラフィック・プロセッサ(GPU)の進化や能力を考えると、また対費用効果で判断すると、Intelなどの汎用プロセッサーやPC設計基盤を複数で稼働させた並列処理の方がいいのではと思っていて、「このスパコン設計アイディアはNGではないのか」と評価したいための「スパコン京を使ってみたい」動機です。

神戸スパコン「京」 の 運用団体は 「理化学研究所 計算科学研究機構」というとこらしく、役人の天下り的な予感がするが、それはさておき。「理化学研究所 計算科学研究機構」ウェブサイトによると、「京の利用について」という掲載がある。

以下引用

理化学研究所 計算科学研究機構の京速コンピュータ「京」は、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」で定められた共用施設であり、完成後は研究者等に広く利用していただくための施設となります。

「京」の一般利用にあたっては、課題申請を行っていただき、選定された課題について利用することができます。「京」の課題選定や利用支援は国が認定した登録施設利用促進機関である(財)高度情報科学技術研究機構(RIST)が行います。

「京」や「京」以外の国内の大学情報基盤センター等から提供されるHPCI(High Performance Computing Infrastructure)共用計算資源についての課題選定や申請方法、利用料金などは、こちらのHPCIポータルサイトをご覧ください。

「ここに申請すれば使わせてくれるのか? 」「費用は?」 不明だが、私にも使える権利があるのだろうか。 その前に 「京」のソフトウェアやOSなどの仕様を確認しないといけませんね。今度もうすこし調べてみます。

やはり低予算なスパコンに負けるのね

昨年2011年11月に世界トップになった「京」だが、なんとこの数日前(2012年6月18日)に、首位脱落のニュースが入ってきた。たった半年近くの首位だったわけだ。そりゃそうだ、年々高性能になるコンピューター業界で首位に生き残るには無理がある。

今回トップに立ったのは、アメリカ IBMの「Sequoia」(セコイア)とういスパコンで、「京」の1.5倍計算能力が高いらしい。「セコイア」という名前とは関係ないと思うが(日本語でないので当たり前だよね)、予算は1~2億ドル程度だそうだ。今の為替レート(80円=1$)からすると、日本円で80億~160億円ですよね。これは、スパコンの世界事情からすると、この程度予算規模が一般的なようです。「京」は高い買い物だったようです。

スパコン「六ちゃん」って?

あとこのニュースで面白かったのは、12位に日本原子力研究開発機構の「六ちゃん」(富士通製)、14位に東京工業大学学術国際情報センターの「TSUBAME2.0」(NEC/HP製)、18位に東京大学情報基盤センターの「OakLeaf」(富士通製)がランキングされました。

この中で12位の日本原子力研究開発機構の「六ちゃん」、面白い名前だと思ってググってみると、このスパコンは、原子力再生施設(中間処理)である六ケ所村にあるそうで、同村の小中学生から公募した約500点の中から愛称が「六(ろく)ちゃん」と決まったそうです。

スパコン利用目的は、「7カ国・地域で建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)の実験データを分析」となっていますが、原発に将来性が見えない現在、一体何に使うのかと考えてしまいます。このスパコン「六ちゃん」はフランスのブル社と言う所が開発したらしく、「フランス=原発推進」のイメージからして、これも「天下り」要素なのかもしれませんね。

結論はさておき、「私がスパコンを使いたい」欲求を満たすには、「天下り団体」に入るのが近道のようです。(笑)

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